リップの色は種類が多く、どれを選べばよいか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。選び方を間違えると、唇の色だけが浮いて見えてしまい、顔全体のバランスが崩れることもあります。

そこで、リップの色選びをする際に押さえておきたいポイントが、自分の肌に合う色である「パーソナルカラー」です。本記事では、リップカラーを選ぶ際の基本的な考え方から、イエベ・ブルベ別に似合う色の特徴、失敗しない選び方までをわかりやすく解説します。

自分に似合うリップカラーとは?

リップカラーは、顔全体の印象に大きな影響を与えるポイントのひとつです。しかし、好きな色を選ぶだけでは、肌色や顔立ちに合わず、魅力を引き出せないこともあります。肌のトーンや雰囲気にフィットするリップカラーを選べば、顔色がぱっと明るくなり、表情全体もいきいきと見えるでしょう。

ここでは、好みだけに頼らず、外見との調和を意識してリップカラーを選ぶポイントを解説します。

好きな色と似合う色は違う

リップを選ぶとき、好きな色に惹かれる人も多いでしょう。しかし、好みだけに偏ると、顔立ちと肌色とのバランスが取れず、違和感を感じる可能性があります。

好きな色は、主観で選ぶものですが、似合う色と必ずしも一致するとは限りません。たとえば、鮮やかなピンクを好んでも、人によっては顔色が沈んで見えるケースもあります。

自分に似合う色は、肌や髪、瞳などの外見との調和によって決まります。そのため、リップカラーを選ぶときは、主観だけに頼らず、客観的な視点を持つことが大切です。外見とのバランスを意識すれば、自分らしさをいっそう引き立てる一本に出会えるでしょう。

リップが顔の印象を左右する

リップカラーは、顔全体の印象を大きく左右する要素です。唇は話す・笑う・食べるといった動作を通して自然に視線を集めるパーツであり、目元と並んで注目されます。

唇の血色が悪く、顔全体がくすんで見えたり、体調不良に思われたりした経験がある人も多いでしょう。一方で、肌色や雰囲気にマッチしたリップカラーを選べば、顔色が明るくなり、全体の印象もぐっと華やかに映ります。

このように、リップの色ひとつで顔の雰囲気は大きく変わるため、色選びは慎重に行うことが大切です。自分に合うリップカラーを見極め、自然な血色感と華やかさを引き出すことで、より好印象な表情を演出しましょう。

リップの色を選ぶ際の基準

リップを選ぶ際は、いくつかのポイントを意識すると、自分にぴったりのカラーが見つかりやすくなります。ここでは、リップ選びの基準となるポイントを4つ解説します。

顔の形に合わせる

リップの色は、顔立ちと調和すると全体の印象がより自然で美しくまとまります。そのため、顔の形を踏まえて色を選ぶとよいでしょう。

たとえば、可愛らしい印象を持つ丸顔の人は、年齢より若く見られやすいため、ベビーピンクや淡い色がマッチします。一方で、おおらかな印象を与える面長の人には、肌馴染みの良いサーモンピンクやピーチ系の色を選ぶと柔らかさが引き立つでしょう。

そのほか、シャープな輪郭が特徴の三角顔の人には、発色の良いビビッドカラーが映え、個性を引き立てる効果が期待できます。

このように、顔の形を意識した色選びは、自分らしさを自然に引き出すことに繋がります。

年代に合わせる

リップを選ぶ際は、年代に合わせた色を意識することも大切です。年齢が進むにつれて肌の質感や顔立ちの印象も変わることから、調和する色を選ぶと、よりナチュラルな魅力を演出できます。無理に若作りをしたり、落ち着きすぎた色を選んだりすると、かえって違和感を与える可能性があるため注意しましょう。

10〜20代の若年層には、明るいピンクやナチュラルなオレンジなど、フレッシュで親しみやすい印象を引き出すカラーがおすすめです。30代に入ったら、落ち着いたローズカラーやブラウン系リップが、上品で大人らしい雰囲気を際立たせてくれます。

40代以上には、深みのあるシックなレッド系がマッチし、顔立ちに華やかさと品格を添える効果が期待できます。このように、年齢に応じた美しさを楽しむためにも、年代ごとに適した色を選びましょう。

パーソナルカラーに合わせる

リップの色を選ぶ際に押さえておきたい重要な要素が、パーソナルカラーです。肌や髪、瞳の色と調和するパーソナルカラーを意識することで、顔全体の印象がより自然に引き立ち、自分らしい魅力を演出しやすくなります。

パーソナルカラーとは、個々の肌色や髪色、瞳の色などにマッチし、外見の印象をより美しく見せる色です。どのような色がマッチするかを把握しておけば、リップ選びに迷いにくくなり、肌なじみの良い色をスムーズに見つけられるでしょう。

また、リップだけでなく、チークやファッションなど、全体のコーディネートにもパーソナルカラーを活かせます。全体に統一感が生まれるため、肌を明るく見せたり、顔色を健康的に引き立てたりする効果も期待できるでしょう。

パーソナルカラーで選ぶリップの色

前述したように、リップカラーを選ぶうえで、パーソナルカラーを意識することはとても大切です。自分の肌や髪、瞳に調和する色を選べば、顔色が明るく見え、全体の印象もぐっと引き立ちます。

ここでは、イエローベースとブルーベース、それぞれのタイプに分けて、フィットするリップカラーの特徴を解説します。自分にぴったりの色を知るヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。

イエローベース・春タイプ

イエローベース・春タイプは、肌に温かみがあり、全体的に元気で軽やかな印象が特徴です。そのため、明るく華やかなリップの色がマッチします。

たとえば、ピーチやコーラルなどのフレッシュな色合いは、明るい表情をより生き生きと見せてくれるでしょう。また、肌の明るさを引き立てるうえでも効果的で、顔全体に健康的な輝きをプラスします。

さらに、ツヤ感のある仕上がりも春タイプに馴染むため、リップグロスを薄く重ねると、みずみずしく爽やかな雰囲気が際立ちます。ナチュラルな光沢がプラスされることで、春らしい軽やかさがより強調されるでしょう。

ただし、深みのあるダークカラーは顔色を重たく見せる作用があり、春タイプには馴染みにくいため、避けたほうが無難です。

イエローベース・秋タイプ

イエローベース・秋タイプは、落ち着きと温かみのある雰囲気が特徴です。そのため、ブラウンやオレンジ系など、明るさを抑えた深みのあるリップカラーがよく馴染みます。

肌に自然に溶け込むブラウンベージュや、柔らかいオレンジブラウンを選ぶと、大人の余裕や上品さを引き立てる効果が期待できるでしょう。また、リップの質感もマットな仕上がりがマッチし、秋タイプらしい落ち着いた魅力をより引き立ててくれます。

反対に、彩度の高いビビッドな色味は、顔立ちに強いコントラストを生んでしまい、浮いた印象になりやすいため注意が必要です。秋タイプのリップ選びでは、色味だけでなく質感にもこだわりながら、自分らしいナチュラルな美しさを引き立てるカラーを選びましょう。

ブルーベース・夏タイプ

ブルーベース・夏タイプは、透明感とエレガントな雰囲気を持つパーソナルカラーです。そのため、ピンク系やローズ系など、青みを含んだリップカラーが肌によく馴染み、上品な印象を演出します。

とくに、ふんわりとしたパステルピンクや少しくすみ感のあるローズベージュは、夏タイプ特有の柔らかな透明感を際立たせる色です。加えて、彩度が控えめなカラーを選ぶと、ナチュラルで洗練されたイメージにまとまります。

一方で、オレンジ系の色味は肌から浮いて見える可能性があり、違和感を与えてしまう場合があるため避けたほうが無難です。ブルーベース・夏タイプの魅力を活かすためにも、肌に溶け込むような青み寄りの色合いと、やさしい発色を意識してリップカラーを選びましょう。

ブルーベース・冬タイプ

ブルーベース・冬タイプは、シャープで都会的な雰囲気が特徴です。そのため、はっきりとした発色のリップカラーがよく似合い、洗練された印象を引き出せます。

たとえば、深みのあるボルドーや鮮やかなビビッドレッドなど、力強い色合いを選ぶと、冬タイプ特有の凛とした美しさがより引き立つでしょう。また、クリアな発色を活かすために、ツヤ感のある質感を選ぶのも効果的です。

反対に、くすみの強いカラーは顔色を暗く見せたり、魅力を十分に引き出せない可能性があります。ブルーベース・冬タイプのリップ選びでは、鮮やかでクリアな発色と、力強さを感じさせる色味を意識して選ぶことで、自分らしさをより一層輝かせることができるでしょう。

パーソナルカラーの確認方法

リップの色選びをするうえで、パーソナルカラーは重要なポイントとなりますが、自分がどのタイプに該当するかわからない人も多いでしょう。ここでは、パーソナルカラーの確認方法を解説します。

肌の色

パーソナルカラーを確認する際は、まず肌の色をチェックすることが基本です。肌の色はその人のベースカラーを知る手がかりとなり、リップカラー選びにも大きく影響します。

ポイントは、日焼けをしていない部分の肌色を参考にする点です。腕の内側や太ももの内側など、紫外線の影響を受けにくい箇所を確認しましょう。また、自然光の下でチェックするほうが、より正確に見分けやすくなります。

肌に黄色みを感じる場合はイエローベース、ピンクみを帯びている場合はブルーベースの可能性が高いでしょう。肌色のベースを把握できれば、自分に似合うリップカラーの方向性が明確になります。

瞳の色

パーソナルカラーを調べるポイントとして、瞳の色も参考になります。瞳の色には、その人のベースカラーが反映されており、リップの色選びにも大きく関わります。

確認する際は、自然光の明るい場所を選びましょう。鏡で見たときに、瞳の色がライトブラウンや明るめのブラウン系の場合は、イエローベースの可能性があります。一方で、ブラックやダークブラウンなどの濃い色合いの人は、ブルーベースです。

瞳が明るいと柔らかく温かみのある印象に、暗めだとシャープでクールな印象に見えるため、リップの色を選ぶ際の判断材料になります。肌色と合わせて瞳の色も確認することで、よりフィットする色を選びやすくなるでしょう。

髪の色

パーソナルカラーを見極める際は、髪の色にも注目しましょう。髪色は肌や瞳と同様に、ベースカラーの傾向を知る手がかりとなります。

ただし、カラーリングしている髪の色だと判断がしづらいため、地毛の色を参考にすることが大切です。自然光の下で見たときに、艶のあるライトブラウンや、マットな質感のダークブラウンであればイエローベースの可能性が高いでしょう。

一方で、ツヤ感のあるブラックはブルーベースに分類される傾向があります。髪の色は顔まわりの印象を大きく左右するため、リップの色選びにも直結するポイントです。肌や瞳の色と併せて、地毛の色も総合的に確認すると、マッチする色を判断しやすくなります。

雰囲気

パーソナルカラーは、肌や目、髪の色だけでなく他人から見た雰囲気も判断材料になります。

たとえば「可愛らしい」「親しみやすい」といわれることが多い人は、イエローベース・春タイプに当てはまるでしょう。一方で「落ち着いている」「大人っぽい」という印象を持たれる場合は、イエローベース・秋タイプの可能性があります。

そのほか「上品」「爽やか」といった雰囲気であればブルーベース・夏タイプ、「クール」「キリッとした印象」といわれる人は、ブルーベース・冬タイプです。

このように、他人からの印象を客観的に捉えることで、自分に似合うベストな色を見つけられます。

リップの色に失敗しないポイント

リップの色選びをする際は、注意点を押さえることも大切です。ここでは、失敗しないためのポイントを2つ解説します。

トーンを抑えた色を選ぶ

リップの色選びに迷ったときは、トーンを抑えた色を選ぶと顔全体とのバランスがとりやすくなり、自然な印象を演出できます。

トーンが高く明るい色や鮮やかすぎる色は、顔立ちから浮いて見えるため注意が必要です。違和感なくナチュラルで美しい印象に見せるには、肌馴染みの良い落ち着いた色味を選びましょう。

リップは、顔の中でも視線が集まりやすいパーツだからこそ、主張しすぎないバランス感が大切です。

ナチュラルで透明感のある色を選ぶ

リップカラーを選ぶ際は、ナチュラルで透明感のある色を意識しましょう。濃い発色のリップは肌とのコントラストが強くなるため、全体のバランスを取りにくくなります。

とくに、派手すぎる色味や厚みのある仕上がりは、顔全体の印象に重さを与えてしまいかねません。その点、ナチュラルで透明感のある色であれば、自然に馴染みやすく、違和感のない明るい顔色を演出できます。

また、透明感のある色を選ぶと、リップだけが浮くことなく、他のパーツと調和した統一感が生まれる点もメリットです。

リップの色はパーソナルカラーを基準に選ぼう

リップの色は、顔全体の印象に大きく影響する要素です。選ぶ色によって、表情の明るさや雰囲気が大きく変わるため、慎重に選ぶ必要があります。

色選びに迷ったときは、パーソナルカラーを参考にするとよいでしょう。自分の肌色や髪色、見た目の雰囲気にマッチする色を選ぶことで、リップが自然に馴染み、顔全体の統一感を高められます。パーソナルカラーを踏まえて、自分らしさを引き立てるリップの色を見つけましょう。

記事の監修者

author
                           

日本メイクアートアカデミー 代表 柿崎 暁

                           

2001年に日本アートメイクアカデミーを開校し、アートメイクを含める美容コンテストの主催や審査員を歴任しながら、これまで数千名の卒業生を排出している

                           

日本アートメイクアカデミー代表の柿崎 暁です!資格取得や眉メイクに関する情報を発信しております!