リップアートメイクは、きれいな唇を維持できるため注目されている施術です。しかし、ダウンタイムが気になって施術に踏みきれない方も多いでしょう。

本記事では、リップアートメイクのダウンタイムについて、経過ごとの症状を解説します。併せて、ダウンタイム中の過ごし方や注意点、痛みが引かない場合の対処法にも触れるので、ぜひ参考にしてください。

リップアートメイクとは

リップアートメイクは、唇のごく浅い層に専用の色素を注入し、自然な発色や輪郭を整える施術です。メイクをしているかのような美しい唇を長期間キープできるため、多忙な日常の中でメイクの手間を減らしたい方に支持されています。

リップラインをはっきりさせたり、唇全体に色味を加えたりすることで、顔全体の印象を明るく見せられる点も特徴です。また、口紅のように落ちることがないため、マスク着用時や食事の際も色落ちを気にする必要がありません。

一般的に施術時間は約1~2時間と短く、手軽さも魅力といえるでしょう。施術後は、数日から数週間かけて定着し、徐々に自然な色に落ち着きます。

このように、リップアートメイクはメイクの手間を省きながらも、清潔感と華やかさを演出できる施術です。適切な知識を持って臨めば、理想の仕上がりが期待できるでしょう。

リップアートメイクのダウンタイムの症状と経過

リップアートメイクを安心して受けるには、ダウンタイムの症状を知ることが大切です。ここでは、施術後の経過ごとに起こり得る症状を解説します。

施術当日~翌日

リップアートメイクの施術直後から翌日にかけては、唇にもっとも反応が現れやすい時期です。特に施術直後は色素が濃く見え、唇が赤く腫れたような状態になることがあります。これは針を用いた色素注入による自然な反応であり、過度に心配する必要はありません。

また、軽度の内出血やヒリつき、圧痛を伴うケースもありますが、時間の経過とともに徐々に落ち着いていきます。

こうした反応が見られる理由の一つが、唇が持つ特性です。唇は皮膚が薄くデリケートな部位であり、腫れや痛みが一時的に強く感じられる可能性があります。

この時期のトラブルを避けるには、施術部位に余計な刺激を与えないことが重要です。過ごし方や慎重なケアが、仕上がりにもよい影響を与えます。

施術後2~5日目

リップアートメイクの施術から数日が経過すると、唇の状態に変化が現れ始めます。この時期には、色素の定着が進むと同時に、皮がめくれてくるケースが一般的です。表面が乾燥し、薄い皮が自然に剥がれ落ちるため、違和感を覚える方もいるかもしれません。

これは肌の再生が進んでいるサインであり、無理に剥がさず自然な経過に任せることが大切です。皮むけの際に無理に触れたりこすったりすると、色ムラや色素の定着不良につながるおそれがあります。気になる場合でも、保湿を心がける程度にとどめましょう。

特に施術後2~5日目は、リップアートメイクの完成度に影響する重要な時期です。唇の変化に過敏にならず、適切なケアを施すと仕上がりを美しく維持できます。

施術後1週間

施術から1週間が経過すると、リップアートメイクによるダウンタイムの症状は徐々に落ち着き始めます。腫れやヒリつき、皮むけといった初期の反応が軽減され、唇の見た目や感触も安定してくる時期です。

この頃になると、施術直後に見られた濃い発色も和らぎ、少しずつ自然な色合いへと変化していきます。色素の定着が進み、全体の仕上がりが見えてくる段階でもありますが、まだ完成ではありません。体質や生活習慣によっては、色が部分的に薄く見えることもあり、リタッチが必要になるケースもあります。

なお、見た目が落ち着いたように見えても、唇の内部では回復が続いているため、引き続き刺激を避けた生活を心がけることが重要です。リップメイクの再開や摩擦を伴う行動は、もう少し控えるようにしましょう。

施術後2週間

リップアートメイクの施術から2週間が経過すると、唇の色はほぼ安定し、見た目が仕上がってきます。初期に見られた腫れや皮むけなどの反応もほとんど落ち着き、日常生活にも違和感なくなじんでくるケースが一般的です。

発色も自然なトーンへと整っていきますが、個人差や唇の状態によっては色の定着にムラが生じる可能性があります。こうした場合は、リタッチによる調整が必要です。

また、見た目が整ってきても、唇の内部ではまだ微細な回復が続いています。そのため、強い摩擦や刺激のあるリップメイクはもう少し控えるのが望ましい時期です。保湿や衛生管理は引き続き意識しましょう。

2週間が経過した段階は、リップアートメイクの仕上がりを安定させるための大切なタイミングです。日々の丁寧なケアが、美しく自然な唇を維持する鍵となります。

リップアートメイクのダウンタイムの過ごし方

リップアートメイクが美しく定着するかどうかは、ダウンタイム中の過ごし方に左右されます。ここでは、ダウンタイムの適切な過ごし方を解説します。

清潔な状態に保つ

リップアートメイクのダウンタイム中は、施術部位を常に清潔に保ちましょう。

唇は、外部との接触が多い部位であり、衛生環境の影響を受けます。施術で付いた微細な傷から細菌や汚れが入り込むと、炎症や化膿などのトラブルにつながりかねません。

感染リスクを最小限に抑えるためにも、飲食後は柔らかいティッシュやコットンなどで優しく唇の汚れを拭き取りましょう。軟膏を使用して潤った状態を保つことも重要です。

また、唇を触る前には手洗いや手指の消毒を行い、常に清潔な状態を保つよう心がけてください。毎日の小さな配慮が、満足のいく仕上がりにつながります。

丁寧に保湿をする

リップアートメイクのダウンタイムを快適に過ごすには、こまめな保湿も欠かせません。

施術後の唇は非常に乾燥しやすく、外部からの刺激に対して敏感になっているため、適切な保湿によって回復をサポートする必要があります。乾燥した状態が続くと、皮むけやひび割れが悪化し、色素の定着にも影響を及ぼす可能性があります。

唇は皮膚が薄く、皮脂腺が少ない部位であり、乾燥しやすい点が特徴です。特に、施術後は肌の再生が進んでおり、水分と油分のバランス調整が求められます。

具体的には、ワセリンや専用のリップ用保湿剤を使用し、一日に数回やさしく塗布する方法がおすすめです。保湿剤を選ぶ際には、香料や刺激の強い成分を避けたほうがよいでしょう。また、就寝前にも忘れずケアを行うと、より安定した仕上がりが期待できます。

できるだけ安静に過ごす

リップアートメイクの施術後は唇が敏感な状態であり、体の動きや環境の変化によって血流が促進されると、腫れや赤み、色素の乱れにつながります。そのため、できるだけ安静に過ごすことが大切です。

特に、施術当日から数日間は、体に負担のかかる行動は控えましょう。なるべくリラックスできる環境で過ごすと、回復もスムーズになります。

また、必要以上の会話や大きく口を動かすような動作も、唇に刺激を与えます。事前にスケジュールを調整しておくと、施術直後の行動をコントロールしながら、落ち着いてダウンタイムを過ごしやすくなるでしょう。

リップアートメイクのダウンタイム中の注意点

リップアートメイクを美しく仕上げるには、ダウンタイム中の注意点を把握することが大切です。ここでは、5つの注意点を解説します。

患部をむやみに触らない

リップアートメイクのダウンタイム中は、唇がデリケートになっています。そのため、患部に不用意に触れないように注意しましょう。状態が落ち着いていない段階で触れると、感染や炎症のリスクが高まるほか、色素の乱れを引き起こす可能性があります。

特に施術後数日間は、肌が再生して唇に薄いかさぶたができるため、気になる方も多いでしょう。無理に剥がすと、色が不均一になったり色落ちしたりする原因になります。

保湿の際や食事の後に唇を清潔に保つ場合も、できるだけやさしく、刺激を与えないように心がけましょう。

食事に気を付ける

リップアートメイクの施術後は、食事内容にも注意を払いましょう。施術直後の唇は敏感で傷つきやすく、刺激のある食べ物や熱い飲食物がトラブルの原因になります。

施術によって生じた微細な傷は、短時間で回復するものではありません。整ったように見えても不安定な状態であり、強い刺激が加わると色素の定着を妨げたり、炎症やかゆみを引き起こしたりする可能性があります。

特に、香辛料やアルコール、酸味の強い食品などは、唇に負担がかかりやすいため避けたほうが賢明です。施術後数日間は、常温で柔らかい食事を中心に取り入れるとよいでしょう。

また、施術後3~4日は唇に飲食物が直接触れないように飲食時は注意し、ストローを使用するなど工夫します。食後は食べ物の成分が残らないように拭き取り、朝晩の洗顔時に優しく洗うことも重要なポイントです。

施術当日の入浴は避ける

施術直後は、体温の上昇や血流の促進によって、腫れや赤みが強くなる可能性があります。そのため、できるだけ施術当日の入浴は控えたほうがよいでしょう。

湯船につかると、全身の血行が促され患部にも影響を及ぼします。血流が過度に高まると、色素が定着しにくくなったり、唇の腫れが長引いたりするおそれがあるほか、湿気や汗によって雑菌が増えると炎症にもつながりかねません。

施術当日は、シャワーで軽く体を洗う程度にとどめ、唇をぬらさないように十分注意する必要があります。

洗顔や歯磨きの際も、唇に過度な摩擦がかからないようやさしく行うことが大切です。入浴は、唇の状態を踏まえた上で翌日以降に再開しましょう。

リップメイクは控える

リップアートメイクの施術後は、唇へのメイクは避けましょう。回復途中の唇に口紅やティントなどの化粧品を使用すると、色素の定着に影響が出るほか、炎症を引き起こすリスクも高まります。

施術後の唇は、微細な傷があるため、バリア機能が一時的に低下している状態です。そのため、メイクに含まれる成分が刺激となり、かゆみや赤み、ひび割れなどのトラブルにつながることがあります。また、化粧品を落とす際のクレンジング行為も唇への負担となり、せっかく入れた色素が薄くなる可能性も否定できません。

少なくとも1週間はリップメイクを避け、唇の状態が整ってからの再開が安心です。保湿や紫外線対策は必要ですが、それ以外のメイクは控えめにし、仕上がりを美しく保つためのケアを優先しましょう。

サウナやスポーツを避ける

リップアートメイクの施術後は、サウナや激しい運動など、体温や代謝を上げる行動も控えましょう。

血行が過度に促されると、炎症につながったり色素定着に影響が出たりするリスクがあります。また、汗をかくと患部が湿り、雑菌の繁殖を招く点もデメリットです。

特に施術直後から数日間は、ジムでのトレーニングやランニング、長時間の入浴、サウナ利用などは避けたほうが賢明です。体を動かすと心拍数や体温が上がるため、唇に余計な刺激を与えてしまう可能性があります。

施術の効果をしっかりと得るためにも、代謝を高める行動は避け、穏やかな生活を意識しましょう。

ダウンタイムで痛みが出た場合の対処法

万が一、リップアートメイクのダウンタイム中に痛みが出た場合は、速やかな対処が求められます。ここでは、主な対処方法を3つ解説します。

患部を洗浄する

飲食物等によって、唇が感染している可能性がありますので、優しく丁寧に洗顔してください。

また、化粧水や乳液等のスキンケアをするばあいは、唇にワセリンを塗ってから行うことで、スキンケア化粧品が患部に入って痛みがでるのを防ぎます。

患部を冷やす

リップアートメイクの施術後に腫れや痛みが気になる場合は、患部を冷やす対応が有効です。唇は皮膚が薄くデリケートなため、施術によって軽い炎症反応が現れやすく、冷却によって腫れや熱感を和らげる効果が期待できます。

特に、体温が上がると血流が促進され、腫れや痛みが強まりやすくなります。こうした場合も、冷却によって血流を緩やかにして、炎症の広がりや不快感を抑えましょう。

ただし、氷や保冷剤を直接当てると刺激が強く逆効果です。清潔なタオルやガーゼで包んでから、優しく当てるように意識しましょう。また、冷やしすぎると刺激になるため、唇の様子を見ながら冷却しましょう。

軽度の腫れや痛みであれば、こうした処置で自然に治まる場合がほとんどです。過剰に心配せず、落ち着いて対処すれば、快適なダウンタイムを過ごせます。

痛み止めを服用する

リップアートメイクの施術後に痛みが強いと感じる場合は、医師から処方された痛み止めを服用して症状を和らげましょう。無理に我慢してしまうとストレスや不快感が増し、回復を妨げる要因になる可能性があります。

唇はもともと皮膚が薄く神経も多いため、施術後にヒリつきや圧痛を感じやすい部位です。特に、施術当日から翌日にかけては痛みが出やすい傾向があり、必要に応じた鎮痛剤の使用により落ち着いてダウンタイムを過ごせます。

多くのクリニックでは、施術後に痛み止めを処方しています。自己判断で市販薬を使用するのではなく、医師の指示に従って正しく服用することが大切です。服用するタイミングや回数を守り、効果的に痛みを緩和しましょう。

クリニックに相談する

リップアートメイクの施術後、腫れや痛みが長引いたり、強い違和感が続いたりする場合は、早めにクリニックを受診しましょう。症状を自己判断で放置してしまうと、回復の遅れや色素の定着への悪影響につながります。

唇は非常にデリケートな部位であり、通常のダウンタイム中にも軽度の赤みやヒリつきはよく見られますが、強い腫れや痛みが数日以上続く場合には注意が必要です。特に、痛みの悪化や膿、発熱などが生じるケースでは、炎症や感染症も疑われます。

信頼できるクリニックでは、施術の不安や相談に対応する体制が整備されています。遠慮せず、状態を詳しく伝えて、適切な処置やアドバイスを受けましょう。

リップアートメイクはダウンタイムがあるため適切に過ごすことが大切

リップアートメイクの仕上がりを美しく保つためには、ダウンタイム中の過ごし方が重要です。施術直後の唇は敏感になっており、ちょっとした刺激でも炎症や色ムラの原因になり得ます。

患部に触れたり激しい運動をしたりといった回復を妨げる行為は控え、できるだけ安静に過ごしましょう。また、唇を清潔に保って、保湿を欠かさないことも重要です。

ダウンタイム中の痛みが強い場合は冷却や痛み止めの使用を検討し、異常が続くときは早めにクリニックに相談してください。ダウンタイム中の過ごし方に留意し、美しい仕上がりを目指しましょう。

記事の監修者

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日本メイクアートアカデミー 代表 柿崎 暁

                           

2001年に日本アートメイクアカデミーを開校し、アートメイクを含める美容コンテストの主催や審査員を歴任しながら、これまで数千名の卒業生を排出している

                           

日本アートメイクアカデミー代表の柿崎 暁です!資格取得や眉メイクに関する情報を発信しております!