リップアートメイクは、唇の色みや輪郭を整え、毎日のメイク時間を短縮できる人気の美容施術です。一方で、施術後の腫れや色ムラ、変色などのデメリットも存在します。
本記事では、リップアートメイクの特徴や注意点、後悔しないための対策について分かりやすく解説します。
リップアートメイクとは?
リップアートメイクとは、唇に専用の色素を注入することで、理想的な色みや輪郭を長期間キープできる美容施術です。ノーメイクでも血色のよい口元を演出でき、毎日のリップメイクの手間や色落ちの心配を減らせることから、近年注目されています。
色みの表現も自由であり、ナチュラルなピンク系からしっかり発色する赤系まで幅広く対応可能です。リップメイクの仕上がりを常に美しく保ちたい方に適している施術といえるでしょう。
ただし、皮膚に針を刺して色素を注入する医療行為に当たるため、医師や看護師などの有資格者が在籍する医療機関でなければ施術ができません。安全性や衛生面を十分に考慮した上で、施術を受けることが大切です。
リップアートメイクの主なデメリット
リップアートメイクは、美しい唇を表現するのに適した施術ですが、デメリットもあるため理解した上で施術を受ける必要があります。例えば、痛みや腫れ、色ムラ、変色、修正の難しさなどが主な懸念点です。ここでは、それぞれのデメリットについて解説します。
施術中・施術後の痛みや腫れ
リップアートメイクのデメリットの一つが、施術中や施術後の痛み、腫れなどです。唇は皮膚が薄く、粘膜に近いデリケートな部位であり、針を使用する施術では刺激を受けやすい傾向があります。痛みの感じ方はさまざまで、人によっては強い違和感を覚えることもあるでしょう。
一般的に、施術中は麻酔クリームを使って痛みを和らげる工夫が施されますが、完全に無痛になるとは限りません。また、施術後には赤みや腫れ、つっぱり感などが生じるケースが多く見られます。これらの症状は1日~数日程度で落ち着くものの、体質によっては長く続く可能性もあるため注意が必要です。
大切な予定があるタイミングや人前に出る機会が多い場合は、ダウンタイムを考慮して施術の時期を検討することが大切です。
色素が定着しづらい・ムラになるリスク
リップアートメイクは、体質や唇の乾燥状態、血行の良し悪しなどで、色素の入り方に個人差が出ます。場合によっては、色素が定着しづらかったりムラになったりする可能性がある点はリスクといえるでしょう。
特に、乾燥しやすい人や代謝が活発な人は、色が均一に定着しにくい傾向があります。そのため、一度の施術だけで理想の発色に仕上がらないケースも少なくありません。多くの場合、2~3回のリタッチが必要になり、繰り返すことで自然な発色に近づけていきます。
基本的にリタッチをするものだと理解しておくと、スケジュールや費用面の計画を立てやすくなるでしょう。
ダウンタイムの発生
リップアートメイクは、施術後に状態が安定するまでに時間がかかります。これを「ダウンタイム」といい、すぐに正常な状態に戻らない点はデメリットです。
唇は非常に敏感な部位であり、針を使う施術は皮膚に対して一時的に刺激を与えるため、状態次第では落ち着くまでに1週間程度かかるケースもあります。特に施術後はデリケートであり、刺激の強い食べ物や長時間のマスク着用、頻繁なリップケアなどは避けたほうがよいでしょう。
また、ダウンタイム中は見た目も変化します。人前に出る予定や重要なイベントとの兼ね合いを考慮した施術計画が大切です。
変色の可能性
こうした変色は、使用する色素の成分だけでなく、もとの肌色や体質、代謝の速さなどにも左右されます。唇はほかの部位と比べて皮膚が薄く、紫外線や摩擦の影響を受けやすいパーツです。その分、変色のリスクが高まりやすい点は留意しておいたほうがよいでしょう。
自然な色みを保つには、施術後のアフターケアが欠かせません。また、肌質に合った色素や技法を選ぶことも重要なポイントです。美しい仕上がりを目指すためにも、実績やスキルが豊富で信頼できる施術者に依頼しましょう。
修正や除去の困難さ
リップアートメイクのデメリットの一つに、修正や除去が難しい点が挙げられます。皮膚の内部に色素を注入する施術であるため、一度定着した色は自然に消えるまでに長い時間を要し、完全に除去するのは困難です。
施術直後の色みや形に納得できなかった場合でも、大幅なデザイン変更には限界があるほか、修正には専門的な技術が求められます。また、修正や除去には追加の費用や時間がかかり、複数回の施術が必要になるケースも少なくありません。
レーザーでの除去が可能な場合もありますが、唇は敏感な部位であるため肌への負担や痛みを伴うリスクも考えられるでしょう。こうした背景からも、リップアートメイクは「気軽にやり直せるものではない」と認識しておくことが大切です。後悔のない仕上がりを目指すには、施術前のカウンセリングと施術者の選定が非常に重要なポイントとなります。
リップアートメイクのデメリットを抑えるポイント

前述したように、リップアートメイクには、色ムラ・変色・痛み・修正の難しさなど、いくつかのデメリットが伴います。しかし、事前の準備や施術者選び、施術後のケアなどの徹底によって、こうしたリスクを最小限に抑えることが可能です。
ここでは、リップアートメイクを後悔なく受けるために押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。
事前のカウンセリングをしっかり受ける
リップアートメイクで失敗や後悔を防ぐには、施術前のカウンセリングが欠かせません。理想の色みや輪郭だけでなく、不安や疑問点、過去の施術歴や体質なども細かく共有しましょう。
また、カウンセリング時には、症例写真やデザインシミュレーションを用いて、仕上がりのイメージを具体的に確認できると安心です。色素の定着やリタッチの必要性、ダウンタイムの過ごし方なども、事前にしっかり理解しておくとスムーズでしょう。
説明が不十分なまま施術に進むと、後々のトラブルや不満につながりかねません。リップアートメイクを成功させるためにも、納得できるまで相談する姿勢が求められます。
実績のある施術者に依頼する
施術の仕上がりや安全性を左右する大きな要素が、施術者の経験と技術力です。特にリップはデザインの微調整が難しく、わずかなミスでも目立ちやすい部位であり、経験豊富な施術者に依頼する必要があります。依頼前には、公式サイトやSNSで症例写真を確認し、自然な仕上がりや好みに合うデザインが多いかをチェックしましょう。
加えて、医療資格の有無も安全性に直結します。医師や看護師が在籍している医療機関であるか、衛生管理が徹底されているかも事前に確認しておくと安心です。実績豊富なクリニックでは、アフターケアやトラブル対応も充実しているケースが多く、信頼して任せやすいでしょう。
アフターケアを徹底する
リップアートメイクの仕上がりや色持ちは、施術後の過ごし方によって大きな差が出ます。特にダウンタイム中は唇が敏感な状態にあるため、摩擦や乾燥を避け、保湿や紫外線対策を徹底することが不可欠です。
また、施術当日は洗顔や飲酒、辛い食べ物など、血行を促進する行動を控えることで、腫れや色ムラのリスクを軽減できます。施術者からの指示を踏まえて、適切なアフターケアを実施しましょう。万が一、異常や違和感が続く場合は、早めに医療機関へ相談する必要があります。
リップアートメイクの注意点
リップアートメイクは美しい唇を長期間キープできる魅力的な施術ですが、いくつか注意しておきたいポイントもあります。ここでは、リタッチや施術後の過ごし方について詳しく見ていきましょう。
リタッチが必要
リップアートメイクは一度の施術で理想の仕上がりになるとは限らず、多くの場合で「リタッチ(修正施術)」が必要になります。色素は皮膚の浅い層に定着しており、時間の経過とともに徐々に薄くなるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
施術後は一時的に色が濃く見えますが、その後皮むけなどを経て色が落ち着く過程で、発色が不均一になったり色ムラが目立ったりするケースもあります。そのため、2~3回のリタッチを前提に施術計画を立てるクリニックがほとんどです。
また、時間の経過とともに色あせや変色が生じる可能性も少なくありません。理想の色みを長く維持するには、数年単位での再施術を検討するのもよいでしょう。併せて、リタッチの頻度や費用についても事前に確認することが大切です。
施術後は1週間程度リップメイク・洗顔不可
リップアートメイクの施術後は、色素が安定するまでの数日間、唇へのメイクや洗顔を控える必要があります。特に施術当日から1週間程度は、摩擦や刺激を避けることが推奨されており、リップクリームや口紅の使用もNGとされるケースが一般的です。
唇は施術直後に赤みや腫れ、皮むけなどが生じやすく、無理に触れると色素が定着せず、ムラや退色の原因になるおそれがあります。また、唇は非常に乾燥しやすい状態になるため、指定された保湿剤を用いたこまめなケアも欠かせません。加えて、洗顔時は、クレンジング剤や洗顔料が唇に触れないよう十分に注意しましょう。
このように、施術後の数日は日常生活に一定の制限がかかるため、余裕を持ったスケジューリングが求められます。
リップアートメイクの施術者の選び方
リップアートメイクを成功させるには、施術者選びも重要なポイントとなります。例えば、実績や医療資格の有無などを確認した上で依頼することが大切です。ここでは、リップアートメイクの施術者の選び方を3つ解説します。
豊富な実績
唇は、繊細で個人差の大きい部位であり、リップアートメイクには高度な技術と豊富な経験が求められます。
特に、輪郭の左右差や色ムラは目立ちやすく、わずかなミスでも不自然な仕上がりになる可能性も否めません。症例数が多く、リップ特有の構造や色素の入り方を熟知した施術者であれば、希望に沿った自然な仕上がりが期待できるでしょう。
施術を検討する際は、公式サイトやSNSで過去のビフォーアフター写真を確認し、自分の理想に近い症例があるかをチェックすることをおすすめします。また、カウンセリング時に実績や症例について直接質問できれば、技術力だけでなくコミュニケーションの相性も見極めやすくなります。
医療資格の有無の確認
リップアートメイクは、唇の皮膚に針を使って色素を注入する医療行為です。そのため、安全性を考慮して、医師や看護師などの医療資格を持つ施術者を選びましょう。リップアートメイクを行えるのは、医師または、医師の指示下管理下にある看護師や准看護師、歯科医師または、歯科医師の指示下管理下にある歯科衛生士です。
無資格者による施術だと、衛生管理や万が一のトラブル対応に不安が残ります。そのほか、感染症や炎症といったリスクが高まる点もデメリットです。
特に唇は粘膜に近くデリケートな部位のため、施術ミスやアフターケアの不備が見た目にも影響を及ぼす可能性があります。施術を受ける前には、担当者の資格の有無や在籍している施設の医療体制をしっかり確認しましょう。公式サイトやカウンセリング時に資格や実績を明示しているクリニックであれば、より安心して任せられます。
丁寧なカウンセリング・アフターケア
リップアートメイクで満足のいく結果を得るには、施術者による丁寧なカウンセリングとアフターケアが不可欠です。カウンセリングでは、希望の色みやデザインの確認はもちろん、リスクや副作用に関する具体的な説明も求められます。不安や疑問に対して親身に対応してくれる施術者であれば、信頼感を持って依頼しやすいでしょう。
また、アフターケアの対応体制も重要なポイントです。施術後に万が一トラブルが起こっても、迅速かつ適切な対応が受けられるように、充実した体制が整っているクリニックを選びましょう。
自分に合った唇の形を理解して理想に近づけよう
リップアートメイクを検討する際は、理想の仕上がりばかりに目を向けるのではなく、リスクや手間も含めて正しく理解することが大切です。唇の形や色みには個人差があり、自分に合ったデザインを見極めるには、施術者との丁寧なカウンセリングが欠かせません。
信頼できる施術者を選び、十分な準備とアフターケアを徹底することで、リップアートメイクの自然で美しい仕上がりを長く楽しみましょう。